SMAのある子どもは、嚥下に必要な筋肉の筋力低下や頭部姿勢制御が十分でないために摂食困難を生じる場合があり、誤嚥および栄養不良のリスクが生じます。十分なカロリー摂取ができない子どもや経口摂取が難しい子どもには、栄養チューブを用いることもできます1,2。 

期待される利点・効果

懸念事項

経鼻十二指腸チューブ

期待される利点・効果

  • 胃瘻チューブ留置を待つ間の短期的な処置1
  • 誤嚥を伴う胃食道逆流症のある子どもに適する1
  • 人工呼吸器を使用している子どもに適する1

懸念事項

  • 技術的な困難によって、摂食機能を損なう可能性1
  • 非侵襲的換気(BIPAPなど)のマスクの装着に良くない影響を与える可能性1
  • 長期使用に伴って合併症を生じる可能性1

経鼻チューブ

期待される利点・効果

  • 胃瘻チューブ留置を待つ間の短期的な処置1

懸念事項

  • 非侵襲的換気(BIPAPなど)のマスクの装着に良くない影響を与える可能性1
  • 長期使用に伴って合併症を生じる可能性1

胃瘻チューブ(Gチューブ)

期待される利点・効果

  • 複数のチューブ留置法がある1
    •   内視鏡ガイド下での経皮的留置
    •   開腹または腹腔鏡下術による留置
    •   Nissen法などによる逆流防止術
  • 内視鏡ガイド下での経皮的留置は、鎮静と局所麻酔のみで施行可能
  • 腹腔鏡下術は、手術直後または早期の抜管が可能

懸念事項

  • 最適な施行時期についてはコンセンサスが得られていない1
  • 全身麻酔を要する開腹術では、肺合併症の可能性1
  • 開腹術では術後合併症の可能性1
  • Gチューブには胃食道逆流を抑制する効果はない1
Muscular Atrophy

SMAの臨床スペクトラムは非常に幅広く、多くの場合は多領域にわたる包括的医療ケアが必要です1